2024年夏アニメとして放送がスタートした『逃げ上手の若君』は、週刊少年ジャンプで連載中の松井優征氏による同名漫画を原作とした歴史バトル作品です。
本作は“逃げる”ことを得意とする少年が、室町時代の混乱を生き抜いていくという、非常にユニークな切り口で描かれています。
■ 逃げ上手の若君 作品概要:逃げるは恥ではなく、戦略だ!
『逃げ上手の若君』の舞台は、鎌倉幕府が滅亡し、室町時代へと移行する南北朝の動乱期。
主人公・北条時行は、歴史的に実在した人物で、最後の鎌倉幕府の後継者としてわずか8歳で命を狙われる立場に。
彼が「逃げること」に天賦の才を持っていたという設定が、歴史の枠を飛び越えた大胆かつ爽快な物語を生み出しています。
原作は『暗殺教室』『魔人探偵脳噛ネウロ』で知られる松井優征氏。
ダークでコミカル、そしてどこか哀愁を帯びた作風が持ち味ですが、本作では「戦わない戦術」としての“逃げ”を主軸に据え、少年マンガに新たな風を吹き込んでいます。
■逃げ上手の若君 作画・演出の評価:動きと表情が冴えるアニメーション
アニメーション制作を手掛けたのはCloverWorks。
『SPY×FAMILY』や『その着せ替え人形は恋をする』など高評価作品を数多く手がける実力派スタジオです。
「逃げ上手の若君」でも、細やかなキャラクターの表情や、流れるような逃走シーンの描写に定評があります。
特に、主人公・時行のしなやかな身のこなしや、鬼気迫る追手からの逃亡劇は、視覚的にもスリリングで引き込まれます。
また、敵役キャラクターの“異常性”を際立たせる作画も見どころ。原作ではやや誇張されたキャラ性も、アニメになることでさらにインパクトを増しています。
■ 逃げ上手の若君 声優キャスト陣の好演:少年の成長と狂気の敵を彩る名演技
声優陣の演技も高く評価されています。
北条時行(ほうじょう ときゆき)
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声優:結川あさき(ゆいかわ あさき)
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役どころ:鎌倉幕府最後の執権・北条高時の次男。争いや武術は苦手だが、“逃げる”才能に秀でる8歳の少年。足利高氏の謀略で幕府が倒れ、一族が滅亡した後、諏訪で郎党を募り鎌倉奪還を目指す。
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声優プロフィール:東京都出身、2月15日生まれ。『となりの妖怪さん』杉本睦実役や『トラペジウム』東ゆう役などに出演。今回が初主演に近い大役で、アフレコ現場でも“笑顔も涙も飛び越える”演技が評価されています
諏訪頼重(すわ よりしげ)
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声優:中村悠一(なかむら ゆういち)
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役どころ:諏訪大社の神官で超常的な力を持つ。時行を救い、彼の導き役。洞察力に優れ、物語のキーパーソン。
雫(しずく)
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声優:矢野妃菜喜(やの ひなき)
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役どころ:諏訪大社の巫女であり、“逃若党”の優秀な後方支援隊長。神秘的な態度ながら時折不思議な言動あり。戦略的眼力と秘術で仲間を支える。
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声優実績:『ウマ娘 プリティーダービー』キタサンブラック役、『ラブライブ!虹ヶ咲』高咲侑役など、多くのメインキャラを担当
弧次郎(こじろう)
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声優:日野まり(ひの まり)
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役どころ: “逃若党”の剣士で、優れた剣技と戦術眼を併せ持つ。時行の良き理解者であり、常識派ツッコミ役でもある。
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声優実績:『魔都精兵のスレイブ』駿河朱々役、『Lv2からチート…異世界ライフ』ブロッサム役など。
亜也子(あやこ)
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声優:鈴代紗弓(すずしろ さゆみ)
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役どころ:天真爛漫な怪力娘で、音楽や舞踊にも長けている“逃若党”のムードメーカー。弧次郎と共に息の合ったコンビネーションを発揮。
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声優実績:『ぼっち・ざ・ろっく!』伊地知虹夏役、『ウマ娘』サトノクラウン役など。
風間玄蕃(かざま げんば)
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声優:悠木碧(ゆうき あおい)
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役どころ:変装の達人で元盗人。狐面を使い人を出し抜く策略家。金を何よりも信じ、時行を人形同然と侮るも、報酬との引き換えに仲間へ。
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声優実績:『魔法少女まどか☆マギカ』鹿目まどか役、『薬屋のひとりごと』猫猫役など人気・実力共にトップクラス。
吹雪(ふぶき)
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声優:戸谷菊之介(とや きくのすけ)
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役どころ:軍師であり戦闘要員。冷静な分析と戦略構築の才能に加え、大食漢な一面もあり、場に「食」の和やかさをもたらす存在。
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声優実績:『七つの大罪 黙示録の四騎士』ドニー役、『WIND BREAKER』兎耳山丁子役など。
その他のキャスト
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北条高時(時行の父):田所陽向(たどころ ひなた)
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北条邦時(異母兄):寺崎裕香(てらさき ゆか)
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足利高氏/尊氏(暗躍する裏切り者):小西克幸
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その他、親族・要人として関幸司、宮内敦士らが参加。
アニメならではの“音の演出”が、世界観をより深めています。
■逃げ上手の若君 ストーリー構成の妙:歴史を知らなくても楽しめる
歴史モノにありがちな「とっつきにくさ」がないのも本作の魅力。
子供である時行の視点に立って物語が進行するため、難しい時代背景も自然に理解できるよう配慮されています。
また、逃げる=受け身ではなく、「逃げながら勝つ」戦術の妙に焦点を当てることで、これまでの少年マンガとは一線を画した新鮮な面白さが生まれています。
1話ごとに区切りの良い展開が用意されており、初見でも入りやすく、テンポのよさも◎。
歴史ファンにも、アクションファンにも、あるいは「暗殺教室」ファンにも響く構成となっています。
■逃げ上手の若君 視聴者の評価・感想まとめ
SNSやレビューサイトでの反応を見ても、概ね好評の声が多数。主な声を紹介します。
ポジティブな意見:
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「主人公が“逃げる”のにかっこいいというのが斬新で面白い」
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「作画も音楽もクオリティ高くて安心して見られる」
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「歴史に興味なかったけど、これで興味がわいた」
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「諏訪頼重の不気味さがクセになる。さすが中村悠一」
やや厳しめの意見:
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「序盤はやや説明が多くてテンポが遅く感じた」
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「敵キャラが少しやりすぎ感ある」
ただし、これらの“やや辛口”な意見も中盤以降の盛り上がりで解消されているという声も多く、作品への信頼感が強く感じられます。
■逃げ上手の若君 今後への期待:少年の「逃げ」が導く新たな時代の幕開け
『逃げ上手の若君』は、ただ逃げるのではなく、「逃げること」を強さの証として描いています。
生き延びることで未来を切り拓くというテーマは、現代の価値観とも通じる部分があり、多くの視聴者に響いています。
今後、時行がどのように「逃げながら勝っていく」のか、また仲間たちとの絆や別れ、そして歴史の波にどう立ち向かうのか──。
この作品は、ただの歴史アニメではありません。「逆転の希望」を描く、希望の物語です。
■ まとめ:逃げることで見える“真の強さ”を描いた異色の歴史アニメ
『逃げ上手の若君』は、歴史×バトル×知略をユニークに融合させた注目作。
美麗な作画、魅力的なキャラクター、丁寧なストーリーテリングによって、多くの視聴者から高い評価を受けています。
「逃げることは負けではない」「生きることが最大の勝利」
そんなメッセージを感じさせてくれる本作は、アニメファンだけでなく、今を生きるすべての人に勇気を与えるはずです。
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